工事中だった時のミタパップ橋

1994-08-01

 元気ですか。昨日の朝ヴィエンチャンからサバナケットに戻って来ました。半年に一回の健康診断と、隊員総会があったのです。サバナケット行きの飛行は朝6時半発。5時半くらいには飛行場に行かなければいけないのです。あまりに朝早すぎて、調子が狂ってしまいます。

 サバナケットにいる時は、たまにはヴィエンチャンに行きたいと思うのですが、1週間近くもヴィエンチャンにいるとサバナケットに帰りたくなってしまいます。やはり住み慣れた所が一番落ち着くようです。サバナケットは平和。なぜか私のいない間は、たいした病気もなく、あまり仕事もなかったようですようです。

 ヴィエンチャンに行って驚いたのは、上の人たちがみな帰国しており、私たちの隊次が古いほうから2番目になっていた事です。新隊員も6人来ていました。当たり前のことなのですが、あらためて残り期間の少なさを感じてしまいました。

 私達の隊次でも何人かは任期延長を考えているようです。本当にラオスは暮らしやすい国なので、私も事情が許せば、もう少しいたいくらいです。でも逆に言えばぬるま湯の中にいるような所があり、私のような技術職の場合、目に見えて技術が低下していくことは避けられません。皆様との約束もありますし、やはり2年で帰るのが最良のようです。

 協力隊員がみな不安に思うのは、帰ってからの事です。現職参加している人は帰っても職がありますが、多くの人は職を辞めて来ているため、どうしても不安を感じてしまうのです。そのため帰国が近づいてくると、もう少し任地にいたいと思うものなのです。私の場合そうも言っていられないので、そろそろ帰国後のことも考えようかと思っています。

 さて、前回の手紙に書いた隊員機関紙『メコン』の事なのですが、今回は自費出版することにしました。今は事務所が費用を出しているのですが、事務所がお金を出す以上事務所長がチェックを入れると聞き、それがとても嫌だったからです。事務所批判とか、過激な内容にするつもりはないのですが、作った原稿をヴィエンチャンに送り、それが勝手に変えられるという可能性があることが嫌だったのです。

 お金を出してもらう以上、ある程度の制約を受けるのは当然のことです。それならいっそのこと、お金など出してもらわないほうが良いと思ったのです。今回は自費で印刷から発送までサバナケットでやる事を、他の隊員にも納得してもらいました。サバナケットで編集するのは、今回と次回の2回ですから、今回は只で配り、それが面白かったら次回は各自に買ってもらうということにしました。

 もともとこの雑誌は、隊員のお金を集めて作っていたのですから、最初の形に戻ってしまったわけです。結局は私のわがままなのですが、ほかの人も協力してくれると言うので、そうすることにしました。雑誌といっても主なページは隊員からの投稿をそのまま載せるという形式ですから、今は色々な人に頼んだ原稿が送られてくるのを待つだけです。それが集まったらコピーして、綴じて、送るだけですから、それほど大変なことではないと思っています。

 少しヴィエンチャンでのことも書いておきます。

 とにかく行く前に頭にあったのは、食べ物のこと。サバナケットと違ってヴィエンチャンには、イタリア料理、フランス料理、カレー屋、日本料理などがあります。限られた日数でいくら回っても1日3食以上食べるのはきついので、行きたい店をうまく組み合わせ、1週間で何とか行きたかった店で食べたかったものを食べることができました。

 健康診断で行った、タイのウドンタニーでは、うちの課のニックが教えてくれた魚料理のお店にも行ってきました。ラオス、グルメの旅といった感じでした。

 タイの病院で驚いたのは、超ミニスカートのお姉さんがうろうろしていたことです。私立病院なので、サービスのつもりで事務員にそんな格好をさせているのでしょうか。あれでは逆に血圧が高くなる人が増えるのではないかと、心配してしまいました。

 ウドンタニーには、初めてメコン川にかかった橋、ミタパップ橋(友情橋)を通って行きました。この橋には歩道はなく、ラオス側から行く時には橋の手前の出国審査所で車を乗り換え、その車で橋を渡り、タイ側の入国審査所でまた車を乗り換えなければなりません。特別な許可がないと車でそのまま橋を渡るわけには行かず、橋専用の車に乗らなければいけないようです。ラオスは右側通行、タイは左側通行ですから、まったくフリーにしたら事故が多くなってしまうからなのかもしれません。

 ウドンタニーから帰って2日間隊員総会があり、金曜はバトミントン大会。夜は大使公邸に招かれました。

 1年何ヶ月かぶりで寿司を食べることもでき、カラオケをやり、大使婦人と麻雀もやり、ずうずうしくも11時過ぎまで遊んで帰ってきました。以前サバナケットに来たことのある娘さんも、夏休みで来ており、家族で歓迎してくれました。なかなか気さくな大使一家です。

 そういえば、健康診断の結果は異常なしでした。最近ラオス隊員は病気が多く、3人も一次帰国していますし、前回の健康診断では4人ほど再検査の人がいたので、もしや私も…と思いましたが、大丈夫でした。

 三度三度きちんと食べていますし、ストレスなどないのですから、あたり前かもしれません。体重も1kgも変わらず、太りも痩せもしていません。ちゃんと環境に順応しているようです。

 こちらは相変わらずの雨期。7月23日からはカオパンサーというお祭りがあり、今はパンサーの時期。10月のオークパンサーまでの間、お坊さんは寺から出ることを禁じられ、一般の人も結婚式をあげることは許されません。(キリスト教徒は別)そのため、カンタボンの結婚式も、オークパンサーの後ということになります。

 日本の夏は暑いと聞きました。皆様お身体を大切に。

 それではまた。

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