パクサーンの岩山の頂上にある大岩

1994-02-16

 元気ですか。今週も相変わらず犬のお医者さんです。前回の手紙に書いたドーベルマンのミッキーは、火曜日の夜に死んでしまいました。火曜日も点滴をし、1時間ごとに見に行っていたのですが、4時ごろに行った時には呼吸も心音もおかしくなり、歯茎も真っ白になっていました。

 点滴を止め、治療すると、なんとか心音は正常になりました。6時ごろ、何かあったら知らせに来るように言って帰りました。もう今夜だめかもしれないという予感はありましたが、8時半頃「今死んだ」と子供が知らせに来た時には、なんと言って良いのか分かりませんでした。その子が大変可愛がっており、何とかしてあげたかったのですが、治療を始めた時期が遅すぎたような気がします。

 昨日、そんな事もあって二日酔いで目覚ましの音もわからずに寝ていると、9時ごろスパサイが迎えに来ました。今度はシオパイの具合が悪いというのです。急いで行って治療すると落ちつきました。

 夜は夜で夕飯の後、近所に出来たビリヤード場で遊んでいると(こちらのビリヤードはルールが違い、始めてやりました)、ドンチャイが迎えに来て、血便で治療していた中国人のマルチーズ、プンプイの具合が悪いのですぐ来てくれというのです。こちらの方も行って治療すると、少し落ちつきました。

 今日は今日で、膣内の腫瘍の手術でした。犬特有の可移植性性器内腫という交尾などによって伝染する腫瘍です。以前送ってもらったケタラールで麻酔しました。ケタラールは短時間しか効かないので時間との勝負ですし、腫瘍の手術は出血との戦いです。思ったより大きく、奥まであり、少し手間取って1時間近くかかってしまいましたが、途中でケタラールを追加しながらなんとか終了しました。スパサイの奥さんのリーも来て、手伝ってくれたのですが、さすがスパサイを尻にしいているだけあって(?)、頭もカンも良く、私の欲しい器具をすぐに出してくれるのでたいへん助かりました。

 さて、ここでお願いです。来週も同じような手術がありますし、この腫瘍は伝染性があるのでこれからもあると思います。できればまたケタラールを、今度は5本ほど送って欲しいのです。こちらの薬屋でも聞いてみましたが、さすがにこの薬はありません。荷物もちゃんと届くようなので、郵便小包で送ってもらってもいいですし、3月2日にうちの奥さんが日本を出発し、こちらに遊びに来ますので、間に合うようなら東中野の方に送ってください。なにぶんよろしくお願いします。

 小包で送るときには、日本の絵ハガキ等も入れてくれるとありがたいです。

 それでは、この手紙は速達で出しますので、今回はこのへんで。お元気で。

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