ラオスより1

 長野県の駒ヶ根で3ヶ月の訓練を受け、4月8日にラオスに到着し、首都のビエンチャンで1ヶ月語学の再訓練後、5月13日に任地のサバナケットに着きました。

 ラオスに来て2ヶ月が過ぎようとしています。来たときは乾期で、毎日40度近い暑さでしたが(日陰は結構涼しいのですが)、今は雨期に入り、毎日何回か雨が降ります。少し涼しくなり過ごしやすくなってきました。

 サバナケットは、貸与された自転車なら20分くらいで回れる小さな町ですが、メコン川のほとりにあるラオス第2の都市です。フランス統治時代には大変栄えたそうですが、今でもメコン川の対岸のムクダハン(タイ)との行き来があり、大体のものは手に入ります。ビエンチャンよりも物価は安いようです。

仕事 サバナケット県農林局獣医課に獣医として派遣されました。ラオスには獣医の大学はなく国家試験もありません。農業学校の獣医課を卒業すると獣医になれます。たまに外国の大学に留学していた人もいますが、そういう人は、全国で40人くらいです。獣医という定義もあいまいで、誰でも注射くらいしています。7時半から11時半、2時から4時半が仕事の時間ですが、なんとなく始まり、なんとなく終わります。

 職場に行き始めて、3週間になりますが、まだ責任者が出張中なので会っておらず、1日に1頭、犬の診療をするくらいでとても暇です(まだ狂犬病が多いそうです)。サバナケット中の牛にワクチンを注射するらしいのですが、そのときには、電気も水道もない村に泊り込むことになるそうです。こちらでは、ワクチンはただですが、治療用の薬は、各飼主が薬局へ買いに行きます。

 そんなに変わりませんが、やっとおしゃれが始まったばかり。男は襟付きのシャツに長ズボンが正装。女性は、シンという巻きスカートをはいている人が多く、髪はいわゆるポニーテール。髪飾りと、スカートの裾模様がオシャレです。

 自炊もできますが、今は3食外食です。朝は、フランスパンかワンタンメン、昼はカオピヤックといううどん、夜はチャーハンか、ベトナム料理屋の定食そしてビール(1本200円くらい)といったところ。タバコは1箱60円くらいですから、1日の生活費は600円くらいです。現地手当ては月3万くらい。手紙は日本まで50円くらい。写真は、幻像代1本100円、1枚30円くらいです。

 今は使っていない古いホテルの3階が住居。シャワー(水だけ)、トイレは共同。エアコンなし。天井の扇風機が頼りです。1、2階は営業しており、1階はディスコ、2階は日本で言うならラブホテル兼安宿です。毎晩12時まで下のディスコの音が響いてきます。こんな環境に男ばかり5人。合宿所状態です。

 栄養状態のせいか、こちらの人は皆小柄で、痩せています。田舎に行くと12人子供がいても、成人するのは3人という話も聞きました。

 仕事ものんびりしていますし、食事も口に合い、住居にも慣れてきました。日本はこれから夏に向かうのですね。皆様体に気をつけてお元気で。

●これは、ラオスに行って2ヶ月目くらいに、友人知人に出した手紙です。まだ行ったばかりだったので、ラオスに対して勘違いしている部分が多々あり、あまりにひどい部分は書き換えました。

 

1993-06-03

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