島田   ポール・マッカートニーで「一人ぼっちのロンリーナイト」を

      聞いていただきましたが。

      稲垣さんは歌に励まされたりとかってします?

稲垣   その時その時ですけどね。

      BGMが常に掛かっていれば、違うなって思いますけど。

島田   歌の歌詞を聞いたりメロディーを聞いて泣いたりとか。

稲垣   それはないかもしれないな。

島田   演劇を見て涙する事はありますよね。

稲垣   それはありますけど。

      ま、自分で歌いながらならあるかな。ハハハハ。

      ナルシスト!みたいな。

島田   ハハハハ。発見です!

 

島田   今週のセカンドハーフのお客様は、稲垣動物病院の

      稲垣仁さんをお迎えしていますが、

      これから稲垣動物病院としては、

      何を発信していくのかなって思うんですが…。

      今、ホームページとかもありますよね。

稲垣   やってます。

島田   インターネットを通じて、何かやり取りはありますか。

稲垣   結構それで相談があったりしますよね。

      インターネットって全世界的なものじゃないですか。

      そうすると例えば、南米に出張中のサラリーマンで、

      周りに日本人が誰もいないんだけど、

      「昼間犬に噛まれて今熱がちょっと出てきたんだけど

      狂犬病は大丈夫でしょうか」という相談とかね。

島田   メールで?ホームページに?

稲垣   そうですね。そういうのがあったりとか…。

      ちょと困ったのは、この間夜中に電話があって。

      11時くらいかな。

      2ヶ月のポメラニアンが震えだしたんだけど、

      どうしましょうって。

      「一応暖めてみて、それでも変わらないようだったら、

      夜中でも良いから連れて来て下さい」って言ったら

      「ハイ」って言って切ったから

      来るかなって思っていたんですけど…、

      そうしたら次の日メールが入って、

      「あの子は死にました。実は私大阪だったんです」って。

      確かにそういえば、関西弁だったなって思うんですけど。

島田   それでは、夜連れて来れなかったかな。

      でも、分かりませんよね距離が。

      どこからか掛けてるんだか。

稲垣   でも、「連れて来て下さい」って言ったら。

      「ハイ」って言ったんだから…。

島田   わかってんのかな、新潟だって。

稲垣   どうなんでしょうね。

      でも、本気で来る気になっていた人もいましたよ。

      メールでやり取りして相談していたら、

      あっちはなんか高まってきちゃって。

      はっきり言って、腫瘍の一種で

      治る病気じゃないんですよ。

      で、大阪府立大かなんかに掛かっているっていうから、

      それ以上やる事ないんだけど、

      ある日メールを開いたら、「これから行きます。

      昼には新潟に着けると思います」って…。

島田   へー。もう藁にもすがる思いなんでしょね。

稲垣   来られてもやる事ないですからね。

島田   技術的に言えばね。

      やっぱり病院がやってる事ですしね。

稲垣   でもその次のメールを開いたら。

      「家族に反対されたんで、やっぱり止めます」って。

島田   ハハハ。でもこれからもいろんな方との

      出会いがあると思うんですが、

      ホームページ通してだったり、対面したり

      色々あると思うんですが、

      どんな動物病院でありたいと思います、これから。

稲垣   気楽に寄ってもらえるような所なら良いと思うんですけど。

      だから、立ち話だけでもね。

      まあ、たぶんにそういうところがあるんですけど。

島田   お茶飲んで帰ったくらいにして。

稲垣   朝からやけに人と話してるなと思うんだけど、

      診察料見るとゼロだったりとか。ゼロまではいかないか。

      皆ただのお客だったりとか。

島田   でもまあそういうふうに、町のお医者さんじゃないけど、

      あの町に稲垣動物病院があることで、

      動物も人も安心していられると良いですね。

稲垣   そうですね。

      そういう事でやっていければ良いかと思ってます。

 

2001-06-14

戻る次へ