島田   サイモン&ガーファンクルで「明日にかける橋」

      聞いていただきました。これも好きな曲の1曲ですか。

稲垣   まあそうですね。

      ちょうど流行っていた頃にギターやったりしていて…。

      あと、「卒業」って映画が流行ったじゃないですか。

      あれを見に行って、感動したりとか。

島田   稲垣さんにとって、特別な曲ってありますか。

      この曲は思いでなんだって。

稲垣   特別っていうと、東京でやってた大人向けの芝居も、

      子供向けの芝居も、全部オリジナルなんですよ。

      曲も作るし、台本も。だからその時の、

      人には知られてない歌の方が、

      すごく思い出に残っているっていうのはありますよね。

島田   じゃあ、その歌を口ずさんだりとかしますか。

稲垣   まあ、たまーにですけどね。もう忘れているのもあるけど。

島田   ああそうか、そういうオリジナルの曲ね…。

 

島田   今週のセカンドハーフのお客様は、

      稲垣動物病院の稲垣仁さんをお迎えしていますが、

      いろんな人との出会いがあったと思うんですけど、

      恩師とか、心に残っているあの人なんて方は。

稲垣   小学校にしても中学校にしても高校にしても、

      必ず良い先生に当たっているなっていう気はしますよ。

      高校の先生にしても、浪人ずいぶんしましたから、

      毎年内申書もらいに行くんですよ。

島田   深いお付き合いをしなくちゃいけなかったわけですね。

稲垣   その先生も、

      「お前が入るまでは、転任願いを出さないよ」って

      言ってたんですよ。

島田   責任重いな。

      ああ、そういう風にして、

      お付き合いを深めていくわけですね。

      でも、良い先生ってどういう先生?

稲垣   うーん。どうでしょうね。

島田   自分に影響があったわけですか。

稲垣   勝手に影響受けてるだけかもしれないんですけどね。

      後はまあこの仕事やるんでお世話になったっていうか、

      代診をやっていたところの先生なんかは、

      結構良かったですね。

      良かったって言うか、いなくなちゃうんですよ。

      自分はね、選挙とかが好きなんで、

      朝行く船橋の駅に着くと、

      車の上で演説してるんですよ、応援演説。

      そうすると「ああ、今日も1日俺一人なのか」って…。

島田   それ見て分かると…。結構アクティブな方なんですね。

      外に向かって発信するような。

稲垣   でも良かったのは、

      芝居やってたってのを知っていたっていうのも

      あるんですけど、診療台をこうやって

      「これはお前の舞台だから、

      お前の好きなようにやって良い。

      責任は全部俺がとるから」って言ってくれたんで、

      結構それで助かっていましたよね、

      好きなようにやらせてもらって。

島田   そういう懐の深い上の方に出会うと良いですよね。

      受け止めてくれるというか。

      だから甘えちゃって、聞きたい事も聞けるとか、

      自分も頑張らなくちゃっていうのがあって。

稲垣   やっぱりほっといてもらうっていうか、

      最終的な責任はとるけど、

      ほっといてくれるっていうのが一番自分で勉強しますし。

島田   そうですね。でも、いそうでいないですよね。

稲垣   でも、いい度胸してると思いますけどね。

      なんかあったらどうするんだろう。

島田   いやいや、それはまた受け止める大きな人なんでしょう。

稲垣   一番びっくりしたのは、そこに勤めてすぐの時に…、

      猫でおしっこが出ない病気があるんですよ、

      石がつまちゃったりして、

      それで絞って出していたんですけど、

      いきなり手の中で破裂しちゃった事があって。

島田   えっ。 

稲垣   まだ大学出て、獣医のそういうところに行って

      何ヶ月も経っていないんですよ。

      その時は、慌てましたよね。

      すぐ手術しないと死んじゃうわけで、

      その先生出かけてていないんですよ。

      しょうがないから自分でやりましたよね。

島田   成功したんですか。

稲垣   もちろん成功したんですけど…、

      もちろんなんて言っちゃなんなんですけど、

      あれから度胸つきましたね。そう言う事が1回あるとね。

島田   やっぱりそういう機会があって、やってみるって事は

      すごく大事な事ですよね。成長なんですね。

      でも、獣医さんって

      本来どういう心構えであるべきっていうか、

      どういう獣医さんを良い獣医さんというと思いますか。

稲垣   ああ、えーとね。

      自分ちの動物を連れていきたくなるような

      動物病院を作りたいと思うんですけどね。

      やっぱり、なんていうかな。

      あまり世の中を知らなくてやっていると、

      その世界だけになちゃうじゃないですか。

      そうじゃなくて、変な話、価格にしても、

      一般的な自分に合うような…、

      自分の猫だったらこれくらい払う、

      自分の犬だったらこれくらいで、

      こういう事してもらいたいとか。

      そういうのに合ったやり方だと良いなって思うんですよ。

島田   ふーん。

      フラットに言うと、普通を忘れないって事ですよね。

      そういうお医者さんに、

      私も連れていきたいなって思いますので。

稲垣   ぜひ。ぜひって、来てるじゃないですか。

島田   今後ともよろしくお願いいたします。

 

2001-06-12

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