笑った話

 友人の働いていた動物病院で、実際にあった話です。

 ある日、中学生くらいの女の子が子犬を連れてやってきました。

 「どうしました」と聞くと、「この子ガンみたいなんです」と言うのです。

こんな子犬で腫瘍だなんて珍しいなと思いながらも診察しましたが、どこを見てもそれらしいところはありません。

 「どうしてガンだと思ったの?」と聞くと、「だって腫れてるんです」と言います。もう一度よく診察しましたが、どこもおかしいところはありません。

 「どこが腫れていると思ったの」と聞くと、黙って子犬の股間を指差しました。

 「え、これ。これ睾丸だよ」

 「エー、やっぱりガンだったんですか!」女の子は泣き出してしまいました。

 「違うよ。これは、○○○○」と、ごくわかりやすい言葉で言うと、女の子は顔を真っ赤にして、逃げるように犬を抱いて帰っていったそうです。診察料を、どうしたかは聞いていません。

 

1999-02-14

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