新潟県中越地震―小千谷市に行ってきました3 

2004.11.04

以下の記録はまったく個人的なものです。もっとひどい被害を受けた地域がある事も承知しております。自分自身が短い時間で体験したことに基づいて書いたものですが、何かの役に立つかもしれないと思いHPに掲載する事にしました。ご了承ください。

 

 

小千谷に向かう車の中でいきなり大きな余震におそわれました。

道は渋滞中で、隣に止まっているトラックが大きく揺れ、身の危険を感じてしまいました。

 

相談窓口に行くと、一時預かりの犬が2頭来ていました。

昨日山古志村からヘリコプターで助け出されて来た犬達でした。

 

1頭はとても痩せていました。10日間も餌のないまま自宅の2階に逃げ込んで暮らしていたのだそうです。

 

地震当日飼い主さんの一家はそれぞれの用事で山古志村を離れており、村に帰れないまま避難所で暮らすことになったのだそうです。

 

一時帰村した人が繋いであった犬を放してくれたのですが、犬は逃げてしまい、昨日お父さんが迎えに行ってやっと連れて来られたのだそうです。

 

痩せてはいましたがとても元気で、お母さんやお嬢さんに撫ぜてもらい喜んでいました。

 

結局その子は知り合いの家で飼って貰える事になり、夕方引取りに来ました。

 

お母さんが知っている限りでは地震で怪我をしたり、死亡したりした犬の話は聞かないとのことでした。

 

窓口には開業獣医師や動物愛護協会の方が交代で詰める事になります。午前中は雨がひどかった事もあって、次に来る人に引き継ぐためのマニュアル作りなどをしました。

 

午後からは、獣医師二人で避難所を回ってみる事になりました。

中越地震に関するホームページの避難所別の収容人数を参考にしようと思ったのですが、実際はあまり当てにならないと知り、状況を知るために地元の先生に電話をすると、わざわざ駆けつけてくれました。

 

その先生のお話では川口町方面の避難所に行ってみたほうが良いとの事でしたが、そちらを回ろうと思うと1日がかりになるかも知れないとの事でした。

 

雨がひどく2時近くになったため、とりあえず近くてまだ行っていない避難所を教えていただき、回ってみる事にしました。

 

始めに、昨日も回った横渡に行きました。ここはあまり行く必要はないかもしれないとも思ったのですが、昨日つい「また明日も来ます」と言ってしまったため、取り敢えず行ってみました。

 

動物を飼っている人は避難所ではなく家に帰っているため、避難所には犬はいないとのことでした。

 

次に行ったのは木津公民館ですが、ここは単なる荷物の集積所になっているだけらしく、避難している方はいないようでした。ビラを置き、一応少しフードを置いてきました。

 

津山町にも行ってみましたが、自衛隊のテントが5つほど並んでいるだけでしたし、雨のためにテントの入り口も閉められていたため、声をかけずに帰ってきました。

 

窓口に戻ってしばらくすると、小さなポメラニアンを飼っている方が、2ヶ月ほど犬を預かって欲しいと相談に来ました。家が倒壊してしまい避難所暮らしをしており、今度犬が飼えないウィークリーマンションに移る事になったので、仮設住宅に移るまで預けたいとの事でした。会いに行ける近い場所に預けたいとの事でした。

 

現在窓口で受け付けた長期預かりの動物は、動物管理センターに連絡して引取りに来てもらうシステムになっています。その飼い主さんは動物管理センターの状況を詳しく聞き、もう少し考えてまた相談に来ると言って帰って行きました。

 

雨のために思ったように動けなかったのですが、雨の晴れ間や暇を見つけて総合体育館斜め向いのボランティアセンターに行ってみたり、体育館の周囲で犬を連れた人に話し掛け、相談窓口が出来た事を伝えたりもしました。

 

心無いボランティアのためにボランティアに対して不信感をおぼえている方もいると聞きましたが、私が話した現地の方たちは皆好意的に話してくれました。

 

上着の下に白衣を着て行ったのが良かったのかもしれません。白衣を着ていると被災者の方たちも安心してくれるようでした。

 

混乱しているところに行く時は、分かりやすい格好が一番だと思いました。

 

小千谷市近辺の方で、ペットに関する相談のある方は下記にご相談ください。

 

動物相談窓口(小千谷市総合体育館前テント)

電話:090-7806-8760

2004-11-04

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