島田   最近他の人を見て、素敵だって思ったことはありますか。

稲垣   あ、その話ですね。

島田   はい。

稲垣   実は、5月3・4・5と連休だったんですけど、

      特に予定がなかったんです。

      そうしたら3日の夜にいきなり、前に話に出た、

      葉月会っていう祭りの会をつくろうって言った奴から

      電話が掛かってきまして、

      「明日、障害者の人達のミュージカルやるけど、

      俺は仕事があって手伝えないから

      代わりに手伝いに行ってくれないか」って言うんですよ。

      それだけ聞いて、ハイって言う方も言う方なんですけど、

      暇なんで行ったんですよ。

      行ってみて驚いたんですが、東京学芸大の養護学校の

      卒業生の人達の会で、その人達が1年半も練習して

      「サウンド・オブ・ミュージック」全幕をやったんですよ。

      だから本当に、しゃべるのも大変みたいな人達も、

      ちゃんとせりふ言いながら歌いながら踊りながら

      やっているんですよ。

      それで、こりゃ手伝わなきゃって事で、

      まあお弁当もいただいた事だし、

      一生懸命受付をやらせていただいて。

      本番見ていいって言われて、中に入ってみたんですよ。

      そうしたらやっぱり、見に来ている人達も

      障害者の人達が多いんですね。

      リュートピアのホール900人、

      ほとんど満員になっちゃってて。

      最初のうちは、あまり見たことがないからなの

      かもしれないけど、どこでどう反応してよいのか

      分からないんですよ。

      それこそ、逆に自分も入りこみすぎちゃって。

      せりふ言うじゃないですか、舞台で。

      すると自分も出ている気になって、

      またせりふ繰り返しちゃう人とかもいて。

      前半の途中くらいかな、「ドレミの歌」って

      あるじゃないですか、あの歌が始まったら

      いきなり手拍子が始まって…。

      そこからね、会場と舞台が一体化しちゃって。

      もうそうなるとね、せりふが聞き取りにくいとか、

      そういう問題は全部すっ飛んじゃうんですよ。

島田   言葉を超えたところに…。

稲垣   本当にそうですね。もうね、拍手しながら、

      涙が出てきちゃって。

島田   とっても素敵なものを御覧になったんですね。

稲垣   そうですね。

島田   ハイ、今週のセカンドハーフのお客様は

      稲垣動物病院の稲垣仁さんです。

      明日もお話伺っていきたいと思います。

 

2001-06-13

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