ちゃりんこ救急隊 今日の夕方の出来事です。 もうすぐ病院の終わる7時半。最後の患者さんを診察していると、中学生の女の子が二人、息を切らして病院に飛び込んで来ました。 「大変です。猫が口からいっぱい血を流して倒れています。すぐ来てください」 どうやら車にはねられた猫が、病院から二町内ほど離れた路上に倒れているようです。でもまだ診療時間なので、病院から離れるわけにはいきません。ダンボールを渡し、何とか病院まで連れて来てくれるように言いました。 最後の患者さんの診察を終え、もうそろそろ来るころだろうと待っているのになかなかやって来ません。 「先生。私自転車なので、ちょっと行って見て来ます」 そう言って、うちの看護婦さんが飛び出して行きました。 酸素吸入や薬の用意をし、受入態勢を作って待っていましたが、なかなか帰ってきません。ゆっくり歩いても10分もかからないはずです。 しばらくすると、箱を抱えた中学生二人を連れて帰ってきました。 残念ながら猫はもう息がありませんでした。明日ペット霊園に送ることを説明し、中学生を帰しました。 マウンテンバイクで現場に乗りつけた時、何人かの人達が集まっていましたが、あまりにも猫が血だらけなので誰も手を出そうとしていなかったのだそうです。 でも中学生の、「あ、動物病院のお姉さんだ。来てくれたんだね」 という声に励まされ、猫を箱に入れ、路上を水で流して帰ってきたのだそうです。 「ちょっと我ながらかっこ良かったと思いますよ」 結果的には猫は助からなかったのですが、そう言いながら帰っていった彼女の顔は充実感にあふれていました。 |
2000-10-24