小さなインタビュアー達

 

 おはようございます。

 

 毎年近所の小学校の子達が、授業の一環で病院にやって来ます。4・5人の班に別れて近所の商店を回っているようで、何組かが次々にやって来ます。いくつか質問をしていくのですが、小さなインタビュアー達はそれなりに真剣です。

 

「どんな動物が来ますか?」

 

「やっぱり、犬と猫が多いよね」

 

「犬と猫とどっちが多いですか?」

 

「そうだな、頭数でいえば猫のほうが多いかもしれないね。猫のほうが、1軒で何匹も飼っていることが多いからね」

 

「犬と猫とどちらが好きですか?」

 

「そうだね。どちらとも言えないね・・・。どっちも好きだよ」

 

「どんな病気が多いですか?」

 

「いろんな病気があるけど、一番多いのは風邪や下痢かな・・・」

 

「一日にどれくらい動物が来ますか?」

 

「多いときと少ない時の差が激しいけど、1年間平均すれば、10件から20件くらいの間かな」

 

 こちらも、けっこうまじめに答えなければいけないのですが、ほとんど同じような質問ばかりなので、3組目くらいになると少し飽きてきます。それを察したのか、1人の子が考えに考えたような顔で言いました。

 

「最後の質問ですが、世界的にみて、動物に対する虐待をやめさせたいと思いますか?」

 

「はい」としか答えようがありません。

 

 そう答えると、満足そうにうなずきながら、お礼を言って帰っていきました。その子なりに一生懸命考えた、一番難しい質問だったのでしょう。

 

 

 明日はクリスマスイブですが、何年か前のクリスマスが終わった頃に、こんな事もありました。

 

 やけにハムスターの新患が続きました。たいてい子供とお母さんの組み合わせで連れてきました。症状は、カゼや、ケガなどでした。

 

 不思議に思って、ケガをしたハムスターを連れてきた小学生に聞いてみました。

 

「このハムスターは、どうしたの。買ってもらったの」

 

「ううん。サンタさんがくれたんだ。クリスマスの朝起きたら、枕もとに置いてあったんだ」

 

「サンタさんの贈り物なんだ…」

 

「でも仲が悪かったみたいで、片方が噛みつかれてケガしちゃったんだ」

 

「そうか。サンタさんでも間違えることもあるから、組み合わせを間違えちゃったんだね。これからは別々のカゴで飼うようにしようね」

 

 どうやら、何件か続けて来たハムスターの新患は、サンタの贈り物だったようです。ハムスターの飼い方が良く分からないので2匹を一緒のカゴに入れてケガをさせたり、寒い場所にカゴを置いて風邪をひかせたりしてしまったようです。

 

 がんばってね。サンタさん。

 

2005-12-23

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